読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ハート流布少年の備忘録

良いと思ったことや作品を「いいね!」と言うためのブログ

聖地ポーカーズ舞台『Dice or Scythe』感想(取り急いでないver.)

演劇

聖地ポーカーズVol.02『Dice or Scythe』

2016年8月5日〜8月11日

於:ラゾーナ川崎プラザソル

 

キャスト・スタッフ

伊藤裕一(お座敷コブラ)  #主演ダブルキャスト
緑川睦(アース・シー・スカイ)#主演ダブルキャスト

早乙女ゆう(サンズエンタテインメント

稲垣希
京本有加
鈴木淳
竹本洋平
菜月ありさ(ワルキューレ
西尾雅司
橋本達也(THE 黒帯)
早川剛史
程嶋しづマ
松平奈々
横澤真人 *プロポーカープレイヤー

*カテゴリー別、五十音順

 

作・演出/榎原伊知良(THE 黒帯)
企画・製作/聖地ポーカーズ

 

*1

 

 

主演ダブルキャストだった『Dice or Scythe』、両パターンを観劇できましたので取り急いでないネタバレ全開の感想を書いていこうと思います。

以下、物語の根幹に関わるネタバレ、個人的な解釈を含みます。

DVDで初の鑑賞を予定している方には読むことをお勧めしません。ブラウザバック推奨。

 

 

公式ホームページURLはこちら↓

聖地ポーカーズ「Dice or Scythe」

 

 

以前、当ブログで同舞台について書いた「取り急ぎver.」はこちら

alter-74.hatenablog.com

 

 

 

 

 

 

 

 ストーリー

 あらすじはざっと以下の通り。

死神。
それは人の死の瞬間に立ち会って、魂の回収を生業(なりわい)とする存在。

新米の死神「灰祢(ハイネ)」は、デビュー以降まったく成績が振るわず焦っていた。

ある日、病で死ぬ予定である伝説の賭博師「御門(ミカド)」の魂を回収しに向かうが、
そこに居合わせた三流弁護士「須藤(スドウ)」の魂を誤って抜き取ってしまった。

慌てて御門の魂を抜き取ろうとするが、それは既に抜き取られてなぜか御門自身の手にあり・・・

御門の娘「采子(アヤコ)」が高校から帰宅すると、父の姿はなく、見知らぬ男二人が言い争っていた。
行方をくらました伝説の賭博師を追って、女子高校生・弁護士・死神の三人は、欲望渦巻くカジノワールドへと足を踏み入れる!

*2

 

 人間と、人間の死を司る死神(とその亜種の神様のような存在)たちが、それぞれの思惑を果たすべく、天国行きのチケットなどの景品を掛けたギャンブルトーナメントで競い合うハラハラドキドキのファンタジーカジノストーリーです。

そして、恥を恐れずに自分の性癖丸出しでストーリーを要約すると、「おっさんたちとキレーなお姉さんたちが協力して生意気なじぇーけーを愛でて見守るお話」。最高です。

 話が進むうちに、徐々に登場人物同士の愛憎と因縁が明らかになっていきます。愛憎と因縁とか言っちゃいましたが、ストーリーはかなーりテンポよく進みます。少年or青年漫画のようなテンポ。キャラ立てもマンガチックで分かりやすい。

  また、この舞台では私たちが普段暮らしている世界=人間界とは別に天界、地獄、死神界といった死後の世界が存在しており、こうしたファンタジーな要素がライアーダイスのルールにも独自に組み込まれています。

人間界と死神界、天界、地獄の狭間にあるソウルカジノでは、死神という設定ならではのルールが適応されており、ラストにつながる熱い展開を演出。

その中でも一番重要となるのは、死神の魂を賭けることで掛け金を倍にすることができるソウルベットというルール。作中では登場人物がソウルベットを決意するシーンが幾度か出てきますが、どのシーンも手に汗握る緊張感が生まれていました。

 

 

最強最高の「おっさんと少女」

  死神は死にかけの人間に取り付くことで、その人間を見かけ上存命させることができます。ただし、死神が取り付いた人間から離れると、死神と人間の接続が切れて人間は再び死体に戻ってしまいます。言うなれば、死神が人間に取り付くと一心同体、ふたりはプリキュア状態になるのです。

 さらに、本来なら死神しか参加できないソウルカジノのトーナメントにも死神付きの人間なら参加することができます。死神がセコンドとして人間のプレイを見守るような図式が、トーナメント戦では随所に見られました。

 つまりですね、こうした設定があることによって、本作品ではコンビとしてキャラクタが動くシーンがたくさんでき、名コンビと言える最強最高「おっさんとおっさん」とか「おっさんと少女」が誕生したのです……。ありがてぇ、ありがてぇ……。

その中でも私が最高にいいねと思ったコンビをいくつかご紹介します。

 

・ハイネ&スドウ

おっさんとおっさん。

最初のうちはハイネの突拍子もない行動にスドウが振り回されることが多かったですが、次第にその凸凹が良い作用を生み出していました。

ある意味で腐れ縁とも言えそうな関係性。

ラストシーンのスドウの「じゃあな、ハイネ」の言い方が、なんとも言えぬ寂しさを感じさせていましたが、なんとなくこの二人はこれからも定期的に事件に巻き込まれていきそうな気がします。その度にスドウが「なんで俺が毎回こんな目に」とか言ってそう。そんな未来を予感させてくれるほのぼの名コンビでした。

・クロム&アヤコ

おっさんと少女。

じゃじゃ馬JKと本当はマジメなチャラい死神がギャーギャー言い合いながら頑張る姿、プライスレス。本当、最高だと思います。

クロムがひたすら王道プレイをするよう、蹄跡を踏むよう言うけどアヤコと馬が合わない感じ。クロムぱいせんはパパみ、否、兄貴みが強い。

また、「腹ぽす」という新たなジャンルを確立させ、観劇したお姉さんたちを震え上がらせました。なんだあの可愛い生物は。本当にありがとうございます。

・ハイネ&アヤコ

おっさんと少女。(青年と少女かもしれない) 

あの最初は記憶が無くて、それに付随していた感情の起伏もほぼ無くて、そんなロボットみたいだったハイネが、アヤコのがんばる姿とアヤコを守ろうと必死に生きる人々の言葉で徐々に前世の頃のような心を取り戻していく… うぅ、最高。最高しか言えなくなってしまいます。

理想的な身長差、ほどよい距離感、お前にソウルコインを預ける絶対的信頼感、ハイネの機転、あやこの度胸といった要素が二人の関係に神聖さを加味し、最高のパートナーへと進化させます。ニクジュディが好きな人はおそらくこのコンビにも同じような光を見出すでしょう。

最高とか尊いとか以前に、ただただ私好みのコンビです。本当にありがとうございました。*3

 

自分の運命は自分で切り拓く

 この脚本のテーマを一つ選ぶならば、ソウヤとハイネがアヤコに向けて言ったセリフ「自分の運命は自分で切り拓く」なんじゃないかなと思います。

 アヤコは齢17か18くらいにして母の死をすでに経験しており、作中で父・ミカドの死が近いこと、自らの命も危ういことを知らされます。

そして、かなり格上のサヴィル管理官 を打ち負かさなければ、父親との決別、自分の生命の維持もできないという状況に立たされます。

JKにもかかわらず、相当ハードモードな人生。普通ならくじけてしまいそうなほどです。実際、アヤコ自身もサヴィル戦で窮地に立たされ、勝負を諦めかけていました。

 ですが、そんな絶望的な状況でもハイネはアヤコを鼓舞し、アヤコを信じて言葉をかけます。

「今諦めて負けるのも、振ってチャレンジ負けするのも同じなら、振ろうって言ってんだよ!足掻けよ!ミカドもソウヤも最後まで足掻いたじゃないか!」

「ソウヤの言葉を思い出せ!自分の手で運命を切り拓くんだろ!?」*4

 このお芝居では、大人たちはアヤコやアヤコ自身の決意を尊重して行動しています。

だから、基本的には間接的にしかアヤコを守らない(守れない)し、あくまでヒントやアイテムをアヤコに託すことしかしていません。

けどな、それでもアヤコはきっちり結果を出したんだよ!

もらったもん全部使って、自分自身の手で運命を切り拓いたんですよ!

そうだよ女は度胸なんだよ!!

 …と思わず荒ぶってしまいましたが、守ってもらうだけのヒロインに陥らずにしっかり自分でなんとかするアヤコの姿勢に勇気をもらえた気がします。

客席ではちらほらアヤコと同年代の人を見かけました。きっと彼ら彼女らにもアヤコの頑張る姿は響くものがあったのではないでしょうか。

 

 

ダブルキャストの巧みさ

 前回の感想において、ダブルキャストについて以下のように述べました。

 

・主演ダブルキャストを上手く使っている。この作品には伊藤裕一さん主演のRouge、緑川睦さん主演のNoirと2パターンの公演があるのですが、私はRougeもNoirもどっちも一回ずつは観ないと意味がないと思いました。ついでに言うと楽日のチケットをマチソワ両方取れている方はとても贅沢な観劇ができそうですよ。

聖地ポーカーズ舞台『Dice or Scythe』感想(取り急ぎver.) - ハート流布少年の備忘録

 

 ここで言う、「主演ダブルキャストを上手く使っている」というのは、演出として主演ダブルキャストが上手く機能していて、巧みだという意味です。そのことについて以下、言及します。

 本作品では、人間界とは別に死後の世界、つまり輪廻転生を基軸とした死神システムが存在しています。

死神とは前世で悪行をした人間が地獄で懲罰を受けた後、奉私として死期の近い人間の魂を狩る者のこと。死神になると前世や地獄での記憶は消え、前世とは違う新しい肉体と名前、魂を回収するための武器「グリムリーパー」が支給されます。

新人死神であるハイネも同様に前世とは違う姿形になるわけですが、ハイネに与えられる身体(魂の器)はその公演がNoir公演か、それともRouge公演かによって変わります。

両主演の演技を観ることができた方はわかるかと思いますが、緑川ハイネと伊藤ハイネは同じセリフを言っていても、かなり異なった解釈をしています。後述しますが、終盤のサヴィルとの対峙ではその違いが如実に現れており、役者それぞれの解釈の面白さがありました。

それにより、私たちは同じハイネというキャラクターなのに、それぞれに違った魅力を持つifの存在として緑川ハイネと伊藤ハイネを感じることができます。まるで、コインの表と裏のように。

メタ的に考えれば、ハイネに与えられた身体=役者が違うと、そこから舞台の印象が分岐していくのです。単に役者が二人いるというダブルキャストで終わらせるのではなく、もしもの世界として両公演を成立させることができていたんじゃないかなぁと思います。

 つまり、千穐楽Noir公演・Rouge公演を続けて観たならば、ハイネというコインの裏表を同じ日に味わうことができたわけです。うーん、贅沢。

一粒で二度美味しい舞台ってのはこういうことだったんですね。

 

 

各キャラクタの魅力

 ちょうどダブルキャストについて書いたところで、次は個々のキャラクタや役者の皆さんについてレビューをしていきましょうか。

「わかるやつだけわかればいい」ぐらいの細かいところまで書いちゃったので、長くなってます。ご了承ください。

※ほぼ公式ホームページのキャスト一覧の順番でキャラクタを列挙しています。また、敬称略している箇所もあります。

 

○灰祢・ハイネ(伊藤裕一/緑川睦)

・伊藤ハイネ

 一言で言うなら、常軌を逸した真面目さを持つ死神。

前世の記憶とともに、記憶に付随していた感情も抜け落ちてしまったかのような印象を受けました。

アヤコと初めて出会った時に間髪入れずに魂を抜き取ったなどの人間性を廃した合理的な行動は、感情が土台ごと消えてまっさらな状態になったハイネの中に前世で培った論理的思考回路しか残っていなかったから起こしたものではないかな。

ただ、前世の記憶はなくとも、前世で負った心の傷(トラウマ)は癒えておらず、ギャンブル恐怖症を患っています。ギャンブルをしたり見たり聞いたりすると吐くという、ゲロインっぷり。かなり重症っぽい演技をなさるので、見ているこっちも不安になりました。(褒めてますよ)

こうしたトラウマ持ちで心ががらんどうのハイネも、サヴィル戦ではギャンブルへの恐怖と戦い、どんな状況でもあくまで冷静に判断し誰にも思いつかない真の最適解を導く、めっちゃかっこいい主人公へと変わりました。*5

アヤコやスドウとの触れ合い、ミカドとソウヤの生き様によって、ハイネが熱い心を取り戻し自らの過去に打ち勝った姿は感動必至です。

・緑川ハイネ

こちらのハイネは少年漫画の主人公のごとく、熱血・直感で動くタイプの真面目人間(死神)。

NARUTOで言うと、ちょうど主人公のナルトのように閃きで問題解決をしていくタイプっぽく見えました。無意識に解答への道筋を組み立てているような感じ。

感情の基礎は残っているけれど、記憶がないことで自身のアイデンティティに自信がなく、臆病になっている印象も受けました。だから序盤はビクビクしていることが多いような気も。

その分、伊藤ハイネよりもアヤコやスドウに対する態度に人間みがあり、天然・ドジっ子といったイメージがついたように思います。純粋で世間知らずな新人っぽさがあって大変かわいらしかったです。

ただ、終盤ではそんなドジっ子ハイネもアヤコとともに成長し、清く正しく美しい青年、デキる男へと変化を遂げます。

サヴィル戦にて雄々しくサヴィルと、そして自身のトラウマと対峙していた様子がカッコよかった。*6

普段穏やかで優しく包むような笑顔を見せるハイネの、凜と張った鋭い怒声は、本作品一のギャップ萌えに当てはまるのでは。

 

○ 御門采子・アヤコ(早乙女ゆう)

ミカドの娘で天才女子高生ギャンブラー。

前回の感想でも書いたのですが、早乙女さんがとてもまっすぐ誠実に、アヤコの不安定な十代らしさ、煌めきを表現していて、とても魅力的なキャラクタに仕上がっていました。

普通だともっと女々しくうじうじな可愛いだけのヒロインになりがちなところを、勝負師としてのかっこよさもきっちり出して、守られる存在ではなく支えてあげたくなる存在として演じていて、底知れねぇなと感じました。

クロムやスドウに啖呵切るところとか、彼女の負けん気の強さを表していていいですよね。

 あと父・ミカドをお父さんと呼ばずに「あいつ」と呼んでいるあたりにいじらしさを感じてね…。お父さんを越えたくて、それ以上にお父さんが心配でトーナメントに出場する等、子の親に対するの微妙な心情が表れていて妙に共感してしまいました。

その他共演するおじさんたちの扱い(?)が上手で、その掛け合いにこちらはメロメロ。今後伸びてほしい女優さんの一人となりました。応援します!

 

○白巫・シロップ(稲垣希)

 死神の魂を取り立てることができる唯一の存在=調停者。

前世のハイネとは唯一無二の友人関係(おそらく恋人だったのでしょう)だったにもかかわらず、その立場から前世ハイネを地獄に送ることしかできなかった、かなり数奇な運命の持ち主です。

前世ハイネとは大切な約束をしていたようで、その約束をずっと信じて待つ乙女な部分もあるキャラクタ。かわいいと褒められると戸惑う。かわいい。

しかし、記憶を失った今のハイネがそれを覚えているはずもなく…。約束を反故されたとしてシロップはハイネのほっぺをビンタしまくります。大変可愛いらしい。*7

また、彼女の「サドン!デース!!」の度に、場の空気がきちっと締まって程よい緊張感が出ていました。いやぁ〜、よく通るええ声してはるんですよ、ほんと。

次回作があるならば、ハイネとシロップの未来に光あれと祈っております。

 

○桃井知朱子・チズコ(京本有加

ピンクスパイダーの異名を持つ女詐欺師。

女の色香と巧妙な話術で相手を絡め取る様はまさに毒蜘蛛。だけどお下品な感じはしないのは、京本さんの手腕かなぁ。さすがです。

突然現れた死神に対しては、スドウよりはるかに高い適応能力を見せていました。スーパーものわかりのいいエキセントリック美女。

けっこう飄々としていて且つ苦労していそうなところが女詐欺師っぽく、ミカドとの出会いが気になるところです。どんな恩義があるのでしょうか。

余談ですが、京本さんはHOLD THEMではトウマ役の西尾さんと兄妹を演じていました。そのこともあって、トウマとチズコが腕を組んでいる光景は感慨深いものがありました。正直泣けた。

 

○御門重明・ミカド(鈴木淳)

伝説の賭博師シゲちゃん。

アヤコの父にして、チズコの恩人。

鈴木さんの貫禄の演技力により、すごい強そうなオーラがバンバン出ていました。思案するように遠くをふと見やる時とか、仙人のような雰囲気があり、あやうくスカウターが爆発するかと思った。

それと同時に娘や親しい人に素直になれない、不器用な一面も持っているミカド。どれほど強い賭博師と言えど、人間的な弱さは持っているんですよね。そこが魅力の一つ。

 ソウヤとは互いに互いを尊敬し合う関係になっていて、だからこそソウヤと共に逝く覚悟ができていたのだと思います。ソウヤ・ミカドコンビ、最後の最後までかっこよかったです。

娘の勇姿を見た直後の満足そうな表情で、涙を誘われた方も多いのではないでしょうか。客席からすすり泣く声が聞こえてきました。

 

○蒼夜・ソウヤ(竹本洋平)

シゲちゃんことミカドに取り付いた死神。

 何のためにミカドに取り付いたのか序盤ではわからず、意図が読めないクールキャラだなと思っていたのですが、後半で衝撃の事実が明らかに。

なんと前世でのアヤコがソウヤの恋人で、アヤコの死の運命を変えたいがためにソウヤはミカドとソウルカジノのトーナメントに出場したのです。*8

 物語の後半でソウヤは無念のソウルベット失敗。地獄へと送られてしまいます。

ソウヤが最後の最後にようやくアヤコに前世でのことや、ミカドとトーナメントに出た事情を伝えるシーンは、ソウヤの心情を考えれば考えるほど涙を誘うシーンとなっていました。

 私的には「幸せになれよ」ではなく「頑張れよアヤコ」を最後の言葉にしたソウヤが最高だなって感じでした。

竹本さんのここのセリフの言い方と表情から本編では描かれていないソウヤとアヤコの数奇な運命がにじみ出ていて、切なかった。

 

○巴錵・パニエ(菜月ありさ)/巴和・パニコ(松平奈々)

 カジノ「リンボー」またの名をソウルカジノのアイドル兼マスコット兼コンパニオンのパニパニコンビ。

この二人はコンビとして書かないと意味がないので一括レビューです。

 黒帯マンTwitterアカウントによれば、パニパニコンビは某イカ界のアイドルを参考にして作られたキャラクタらしいですね。

通りでパニエちゃんのツッコミが気だるげでいて尚且つ鋭く、パニコちゃんのボケがうまいこと言っているようで言っていないわけだ。合点がいきました。

あとね、二人がよくこの写真のポーズをとるのですが、完璧なシンメトリーになっていて美しかったです。この角度だとわかりづらいけど 腕と腕で小さなダイヤモンドができるんですよー。息もピッタリで双子のようでした。

f:id:alter_74:20160814024839j:plain

 

○燈麻・トウマ(西尾雅司)

ハイネの同期のちょっと抜けている死神。

サヴィルの命でハイネが担当していたミカドとアヤコの魂の回収に向かいますが、そこで女詐欺師・チズコと出会い一目惚れしてしまうという純朴さ。かわいい。

 チズコに気に入られようと、カッコよく足を組んで座ってみたり、スマホを最速で手に入れたり、エスコートしようとしたりするのですが、どこか空回り。

むしろチズコに翻弄され、挙動不審になる一面も。

 以上のことからわかる通り、(下品な表現になりますが)おそらくトウマは童貞でしょう。でも嫌な感じはしません。そこは西尾さんの演技のさじ加減が良かったのだと思います。絶妙な童貞感。思わず応援したくなる童貞感。最高です。

諦めずに最後まで希望を捨てないでチズコにアタックしてほしいですね。

  

○須藤崇法・スドウ(橋本達也)

巻き込まれ型青年コミック主人公。

それなりにクライアントのために尽くしているのに報われない+チズコやサヴィルにすぐ騙されるなどの特性が絡み合い、守ってあげたいおじさんランキング堂々の1位。

演じている橋本さんのツッコミの間合いとか裁量がとてもお上手で、スドウが絡んでいるギャグシーンは大抵客席から笑いが溢れていました。ツッコミに迷いがなく、ここは笑っていいところなんだなと安心できる演技だったからかしら。

そして、スドウさんが出てくるとなぜかホッとしてしまう場面が何度もありました。殺伐としたソウルカジノに現れた癒し系おじさん。もしかして本作品のヒロインはスドウさんだったのでは?そういえば、サヴィルがグリムリーパー出した時もハイネにしっかり守られていたもんな。大変かわいらしい。

 サヴィル戦でのファインプレーは見ていて痛快でした。全然お世辞にも頼りになる感じがしないおじさんが土壇場で機転を利かせる姿は、全国の働くお兄さんお姉さんに勇気を与えたことでしょう。

 

○黒无・クロム(早川剛史)

早川さん(別名・はやたおじさん)演じる、ハイネの同期の死神。

ダイス振る時に、クロムが祈るように自分の手にキスを施していたのを、私は目撃してしまいました……。くぅー、そういうところほんとキザなやつ!

そんな感じの細かい仕草まで染み渡ったチャラかっこよさに定評があり、本作品において一番モテていました。

早川さんはこういった動作の一つ一つでクロムらしさを表現する、丁寧な演技をする役者さんだなぁ。*9

でも、私、クロムのチャラさは本来常識があって几帳面な自分を隠すためのチャラさだと思いまーす。

 彼のライアーダイスのプレイスタイルは読めるところまで全て読んだ上で定石を踏む勤勉タイプ。だから、ミカドのブラフとかアヤコの負けん気オラオラスタイルとは馬が合わない。けれども、そんな自由奔放なセンスの塊に憧れているような節も見られるのです。

死神のくせに、人間臭くて素敵なキャラクタでした。

ソウルカジノを嗅ぎ回っていたのは、好奇心か、それともそれ以外の何か特別な理由があるのか、気になるところですね。次回作があったらその辺も知りたいな。

 

○錆流・サヴィル(程嶋しづマ)

ハイネの上司にあたる死神、サヴィル管理官。 

 冒頭のシーンではアドリブで、終盤では清々しいほどの悪役っぷりで大暴れしてくれていました。あそこまでやってくれると、見ているこちらも爽快感マックス。すげぇです。

ガチャの演出や観劇後必ず忘れられなくなる「はぁーい」などギャグシーンの振り切れ具合はピカイチ。攻撃力と射程はトップクラス。*10

プライドが高く、狡猾な性格ではありましたが、なぜ彼は前世ハイネを陥れてまで管理官の座についたのでしょう。何か、それ相応の理由があるはず、いや、あってほしいなぁ。シロップとかそこに絡んでくるのかなぁ。

地獄で一巡したらもう一度ハイネたちとも再会して、幸せになってほしいと願わずにはいられないキャラクタでした。

 

○ヨコサワ(横澤真人)

 安定のメイクセンスでお馴染みの横澤さん、否、ヨコサワさん。

今回のメイクセンスは照明さんたちにさらに愛されていて、ナイスタイミングでメイクセンスがメイクセンスしていてオーディエンスも沸き立っていましたよ。

アヤコちゃんとの対戦ではちゃんとお仕事モードになっているかっこいいヨコサワが見られました。生意気女子高生に立ちはだかるやり手プレイヤーの雰囲気が出ていました。

HOLD THEMの時も思いましたが、すごく間の取り方というか、お芝居の感がいい人です。プロポーカープレイヤーとしてのお仕事も大変だとは思いますが、是非ともお芝居の仕事も続けてほしいです。あと無理なダイエットにだけは十分気をつけてほしいです。筋トレしてきちんと三食とって基礎代謝をあげましょ。

 

 

 

 

いつの間にか1万字超えてましたね。

それだけ私がこのお芝居を楽しめたということがわかっていただければ幸いです。

 

 とにかくキャスト・スタッフの皆さん、素敵なお芝居をありがとうございました!

聖地ポーカーズvol.03も楽しみにしてますー。

 

 

*1:公式HP 出演者 及び イントロダクションより抜粋http://dos.seichipokers.com/出演者/ http://dos.seichipokers.com/info/

*2:公式HP イントロダクションより抜粋

http://dos.seichipokers.com/info/

*3:あと、細かいところなんですが、アヤコが嬉しさのあまりハイネに抱きつくシーンでの伊藤さん演じるハイネ(以下、伊藤ハイネ)と緑川さん演じるハイネ(以下、緑川ハイネ)の違いがすごく良かったです。

伊藤ハイネの場合…アヤコが後ろから抱きつき、ハイネは「おぉ、なんだよ」と少し驚く表情を見せる。

緑川ハイネの場合…アヤコが正面から抱きつき、ハイネもそれに驚きながらもよしよしとかして応えている。

 最 高 か よ。

*4:Dice or Scythe台本 p85より抜粋

*5:この辺のハイネの変化が自然で(というか無理がなくて)、伊藤さんの演技の緻密さを感じました。ハイネの心の変化を事細かに分析して、地道に布石を敷いて、サヴィルに対してソウルベットをする心境にまで持っていったのかと思うと、この人の演技の底知れなさを感じます。マジすげぇ

*6:パンフレットでは脚本・演出の榎原さんが伊藤ハイネを「静」、緑川ハイネを「動」と評しています。確かに緑川ハイネは激しく、そして素直に感情を露わにしていたように思います。

*7:ビンタの音が「ぺちっ」ではなく、鈍い「ベチッ」って音がしていて、ハイネズのほっぺとシロップさんの手のひらの両方が心配になりました。いいビンタでした。

*8:そうです、転生ものです。何度生まれ変わっても君だけを愛するでお馴染みの、私の大好きな転生ものですよ。

*9:特に私が好きだったのは、クロムがスドウの名刺をもらってすぐに興味なさげにぽいっとテーブルに落とすシーン。「おっさんになんか興味ねぇっつーの」とでも言いたげで、大変可愛らしい。

*10:ただ単に面白おかしく演技をしているわけではなく、後にそのコミカルな動きが生きてくる場面もありました。例えば、ソウヤの最期のシーンで飽き始めてスドウに肩を揉ませるところでは、ソウヤがアヤコにラッキーリングを託したことを聞いていなかったことで後にアヤコに反撃を許す伏線となっています。巧みです。